中日ドラゴンズの落合監督が、2004年から2011年の8年間指揮をとり、リーグ優勝を4回、日本一を1回という輝かしい成績を残しました。強いチームをつくりあげることができた要因は、いくつかあるのですが、当時私が注目したのは、ベンチにいる監督の表情でした。その様子が効果的で、ビジネスなどチーム運営に役立つ内容と思いましたので、以下にまとめさせていただきます。
何があっても表情を変えなかった
落合監督は、試合で選手がエラーしたり、ピッチャーが打ち込まれて失点した際など、ミスや上手くいかなかった場面で、表情を一切変えることはしませんでした。きっと怒っているはずなのに、表情に出さないようにしている様子を見て、私には同じ場面でそのようにはできない。落合監督はすごい精神力だと思いました。
実際はウラで怒りをぶちまけていた
監督を退任されて時間が経過したあと、落合さんがテレビ番組のインタビューで、当時のベンチでのポーカーフェイスについて答えた内容は、意外なものでした。『選手がミスをしたときは、ものすごく怒りを感じたが、ベンチでは表情に出さないと決めていた。イニングが終わり、数分のインターバルの間に監督室に戻って、「〇〇ふざけんな、あんなミスしやがって」のように怒りをぶちまけていた。怒りを吐き出してスッキリさせてベンチに戻った。』とのこと。私は、そのようなことを想像していなかったので、驚いたのですが、落合さんも普通の人なのだと少し安心しました。
部下は上司の機嫌を伺っている
先ほどの質問に、背景の説明をされていたのですが、『監督が怒ると、選手はその表情を見ている。そして必要以上に怯えて委縮してしまい、その後のプレーや選手の成長に悪影響を及ぼす。選手は誰と戦っているのかということ。戦っているのは、相手チームであって、自軍の監督ではない。以前の中日ドラゴンズは、監督の顔を伺いながらプレーしてたでしょ』(以前、闘将と呼ばれた方が監督をされていた経緯あり)
このようなお話でした。
落合さんの話から学ぶべきこと
落合さんのインタビューの内容から、ビジネスの現場にも参考にすべき点があると思います。
・上司は怒りをあらわにしないように努める。(部下を必要以上に委縮させない)
・上司側の怒りは溜め込むことはせずに、何らかの方法で解消させる。(怒りによって自らの精神に悪影響を及ぼさないようにする)
・どの方向に意識を向けるかについて、正しく理解する。(上司と部下で対立するのではなく、目標や戦うべき相手を見失わない)
リーダーによってスタイルがあると思いますが、今回の記事が、リーダーの表情や姿というものの重要性を考えるきっかけになればと思います。
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