かみ砕いて伝える力

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スポーツ中継を見ている時に、解説の人の説明が上手いと、凄いなと感心してしまいます。専門家の立場から、一般の人に向けて理解しやすく伝えることは、販売やプレゼン、教育など、様々な仕事に参考になります。今回は、伝える力について、分かりやすい解説者のかたを例にあげてお話させていただきます。

分かりやすい解説者

① 舞の海さん

小柄な体格のハンデを乗り越えるために、多くの技を繰り出して「技のデパート」と呼ばれた舞の海さん。番付の最高は「小結」のため、超一流には一歩及ばなかった現役生活でした。しかし、NHK側から舞の海の話は面白いから視聴者にウケると見込まれ、解説者になりました。当初は「現役時代に横綱でなかった私が、自分より番付が上の力士を批評しても良いのか」と悩んだとのこと。それでも、たくさん学んで優れた解説者になれば良いと考えて、力士の朝稽古を現地に赴いて取材し、実際に対戦した時に活かされているか否かのような解説を取り入れました。自身が超一流の実績が無いことを謙虚にとらえ、現場を見たり、より深い分析をする努力を惜しまなかった。そして、視聴者はどうとらえるのか、どのような疑問を持つのかという視点で考え、表現を心がけているとのこと。

② 里崎智也さん

(野球解説。現役時時代はロッテ一筋。ポジションはキャッチャー。2005年に日本一。第1回WBCの優勝を経験。)

現役時代の打てるキャッチャーの経験から、配球や投手についてはもちろん、打撃に関わることまで確かな分析力を発揮されています。このように実績と実力が一流であるにもかかわらず、とても親しみやすいフランクな人柄。言葉の引き出しが多く、一般の人にも分かりやすい表現をされ、ユーモアあふれるぶりで、視聴者を惹きつけます。

私のコールセンターでの経験

私は以前、パソコンのコールセンターで仕事をしたことがあるのですが、問い合わせを受ける際に、詳しくないひとが大勢います。私は、コールセンターで働く前はパソコンに触れていなかったため、詳しくない人の視点や気持ちが分かりました。その立場を活かして、問い合わせてきた人の理解の程度がどのくらいであるかを把握することに注力し、それに伴った観点で伝えることを心がけました。そのことが実を結び、電話応対の社内評価の際に、傾聴する項目と伝える項目について、特に高い評価を受けることができました。

分かりやすい解説者のかたは、詳しくない人の視点で考え、難しいことを分かりやすい表現に変えて表現したり、感覚的なことを具体的に置き換えるなど、翻訳して伝えることが上手です。スポーツ中継だけでなく、ニュース解説などを見たときに、分かりやすいと思う話し手を見つけたときは、どうのようして伝えているかに注目してみてください。そして、参考にしてご自身に取り入れてみましょう。

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