シンプルに設計することが大事

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自社のロゴを作りたい。自分のショップのマークを作りたい。そのようなときは、どうされていますか?デザイナーに依頼するのが良いのですが、コストもかかりますね。そのため、自分で作るというかたも多いと思います。会社やお店でなくとも、現代は、SNSのアイコンをデザインしたいという人もいるでしょうから、多くの人がデザインに触れる機会が広がっています。今回は、デザインについて、重要なポイントについて、お話させていただきます。

印刷以外の製品に転化しにくいデザイン

先日、私の店にゴム印を作って欲しいとお客様が来店されました。ロゴをゴム印にしてほしいと、データを見たところ、お店の文字の周りに、マル(円)が描かれていて、習字の筆で書いたような「擦れ(かすれ)」で表現されていました。細かい点や線が近距離に密集し合っています。このようなデザインの場合、ゴム印にして、実際に押したときに、近距離どうしの点や線がくっつき合ってしまうため、「擦れ」とは異なる、べったりとした見た目になってしまいます。お客様にこのことを説明すると、仕組みを納得頂いた様子で、ゴム印として作るべきか否か検討すると帰っていかれました。このような、立体構造への製品転化に向かないというケースや、シルクスクリーン印刷(版画の版を製版し印刷する技法)にする際に適さないデザイン例は、よくある話です。

想いや理念はシンプルに。盛り込み過ぎない。

何年か前に、東京オリンピックのロゴエンブレムの募集があり、一般の人も参加可能だったのですが、デザイン経験ないであろう友人が応募したものを、SNSに載せていたので見てみたところ。。想いがいくつもあって、思うがままに様々な要素をつけ足している。グラデーションも多用していて。。

私は、オリンピックのロゴであれば、金貨のような彫り物をしたような製品など立体的な製品も作るだろうし、色が多色であればコストも掛かってしまう。デザインするにあたって、友人の案は、根本から、採用の可能性が無いなのだろうなと思いました。

実際に決定したロゴエンブレムは、市松模様で紺色単色という、私の想像よりもシンプルな出来でした。コンセプトの明確さ、ロゴとして多方面への転化にあたっても全く問題が無い素晴らしいものです。想いを明確に、そしてシンプルに作る。お手本になるロゴエンブレムです。

デザインを考えるにあたって

◎ 想いや理念をシンプルに表現する。

取り入れたいことを全部乗せようと前のめりになるのではなく、伝えたいメッセージを絞るということです。

◎ 凝り過ぎない

パッと見たときの見栄えに凝り過ぎないこと。グラデーションや擦れ、繊細過ぎる作りにはしないこと。

◎ 既にある一流のデザインを参考にする

一流企業や団体のデザインをいくつも見ましょう。街をあるけば、数えきれないほどのデザインを目にすることが出来ます。見ているだけで楽しくなりますから、意欲的に吸収できるはずです。また、効率よく勉強するには、デザインの入門書も良いのですが、私がお勧めしたいのは、様々な企業やショップのデザインやロゴをまとめた本を見るということです。見ると分かると思いますが、共通点が分かると思います。いずれもシンプルです。

以上の3点が重要です。

あれもこれも盛りだくさんにつけたがる気持ちは分からなくもないのですが、それは設計者の心が満足するだけです。あれもこれも足したことによって、メッセージがぼやけて結果伝わらなかったり、コストを要することになったり、制作に手間がかかったりと弊害が生じてしまうからです。

最後に

以上のように、デザインや物事を設計する際には、極力シンプルに。今後継続して利用していくにあたって、継続しやすいのかについて考えることをお伝えしました。以前聞いた話で、ルパン三世の髪の形が丸刈りであるのは、アニメの作画で負荷をかけないためとのこと。主人公は毎回頻繁に登場するため、もし、髪型が長髪でサラサラだと髪の描写や色塗りに時間と手間を要してしまう。(現在と違い、昔はセル画に一枚一枚絵を描いて色を塗っていた)脇役は少々飾るが主役に関しては、作成工程を考慮して設計されたとのことです。現代は、YouTubeやSNSなど、プロでなくても発信する場がたくさんあります。そのため、デザインは、誰にでも身近な存在です。今回のお話を少し取り入れてみてはいかがでしょうか。

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