新型コロナ感染症が広まって1年数か月が経過した現在もなお、感染者の数は増えていて、多くの業界がダメージを受けています。倒産や閉店に至る件数も多く、今後も増えることが想定されます。しかし、そのような状況にあっても、知恵を出して困難を乗り切ろうと取り組まれている企業や個人のかたがいます。コロナ渦はもちろんですが、平時であっても、参考になると思います。
タクシー運転手の話
先日、タクシー運転手の方が、私のもとへ、名刺を作りに来ました。その際に「今は乗る人が少ないので、会社から出勤日を縮小調整する指示が出ていて休みの日が多くなったしまった。そこで、休日はアルバイトとして介護職員をしている。名刺を渡し、介護を通じて顔を知ってもらい、今後タクシーが必要な時は指名をしてもらうように伝える。」とのこと。
すごいアイデアだと思いました。介護を必要とする人はタクシー利用機会があるでしょうし、頼む側としても知っているドライバーなら安心して指名できるからです。
工夫して困難を乗り越える
先ほどのタクシーの方の話を聞いて、コロナ渦で仕事が減ってもアイデア次第で挽回できることに感心しまして、他にも例がないか、調べてみました。多くの企業や個人が知恵を出して頑張っています。
◎ 航空会社の職員が異業種へ出向
移動を制限されているため、飛行機の利用は激減している。そのため、航空会社は、人手が必要な仕事へ出向して、労働の機会を得ている。ニュースで紹介されていたのは、外国人従事者が来日できないため人で不足のみかん農園へ住み込み。ほかには、慢性的に人手不足のコールセンターへの出向。このようにして、給料の支払いへ充てている。
◎ 先払いチケット
飲食店に対して、今は飲食せずとも、将来来店したときに使用できる先払いチケットを購入する仕組み。飲食店側としては、短期的な資金繰りに繋げることができる。
◎ 宅配専用のキッチンを貸し出し
複数の店のシェフが集う宅配専用キッチンへ出向いて、各自料理を作る。そのキッチンはUBER EATSなどのサービスと提携されているため、宅配のシステムが成立している。取材された店主は、コロナで店が廃業になり、このキッチンで宅配事業として再立ち上げした。省スペースのため以前の店のような家賃は要さず、少額で経営できている。
◎ 時間帯によって金額を変動させる
ランチタイムの混雑時は、価格を高くして、空いている時間帯は安くする。11時30分から15時までのランチタイムを複数の時間帯に分け、価格を設定。12:00〜13:00は最も高く設定し、14:30〜15:00の時間帯は最も安くする。この取り組みによって、混雑の分散と緩和に繋がる。
◎ ビデオ会議システムを用いてリモート接客
あるガールズバーでビデオ会議システムを用いてリモート接客をしている。カウンター席に置いた端末を介して、客が自宅にいながらバーテンダーの女性とおしゃべりを楽しめるサービス。
◎ 公演本番以外も見てもらう
ある劇団は、企画から稽古、公演まで全てをオンライン上のZoomで行い、公演以外の様子も観ることができるようにした。
◎ テレワーク需要に対応
あるホテルは昼間の時間帯をテレワークとして使えるようにプランを新設した。カラオケボックスやネットカフェでも同様に、テレワーク利用を掲げている。
◎ ドライブインシアター化
あるショッピングモールの大規模駐車場に大画面スクリーンを設置し、各自の車に乗ったまま映画鑑賞できるようにした。20年くらい前に一時期流行したこの方式がコロナ渦に適していると考えた。さらに、アプリを使用して、飲み物やポップコーンなどを注文可能で、スタッフが商品を車まで運ぶ。
◎ オンラインによる教室
勝間和代さんが絶賛しているのは、オンラインヨガ。感染リスクが無いことはもちろんだが、他のメリットにも気づいたとのこと。ジムなどに通うのは、準備と移動時間と現地での着替え、さらにシャワーの順番待ちなどの時間を要する。実際にヨガをしいている時間と同じくらい準備に時間を要してしまう。その点、オンラインの場合、自宅に居ながらにして、開始5分前に画面の前で準備できれば良いので、コロナが収束した後も、オンラインが良いと考えている。
私から要望
このようなお店が増えてほしいと思うことを記します。
◎ 一蘭のような仕切りの店が増えてほしい。ラーメン店の一蘭は博多ラーメンを出すチェーン店です。一人席ごとに間仕切りが施され、ほぼ一人個室のようなつくりになっています。実は私は行ったことは無いのですが(笑)。しかし、ラーメンに限らずこのようなお店が増えてほしいと思います。コロナ渦ではもちろんですが、コロナ収束後であっても、需要があるはずです。
◎ 居酒屋やレストランは、透明の幕などの仕切り(天井から床までのように大幅に覆うもの)をテーブルごとに設置して、かつ、テーブル内も透明の仕切りを立てるようにして欲しいです。対策状況を写真や画像で積極的にアピールすれば、安心して行くことができます。
コメント