30年過ぎて謝罪したこと

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若いころに、友人に悪いことをしてしまって、自分が悪いことが分かっているのに、謝らず、そのまま大人になってしまったこと、ありませんか? 私はこのような後悔がいくつかあるのですが、つい数年前に謝ることができた話があります。昔のことが謝ることができていない人に読んでいただきたいと思っています。

無視されていた友人

私は、小~中学生を、比較的のんびりした公立学校で過ごしました。私立の中学受験をする人は2~3人程度のため、9年間、200人くらいの同級生が、ほぼ同じ顔ぶれでした。とある女子とは、小学生のころに3回くらいクラスが一緒で、中学では同じクラスにはならなかったのですが、直対面すれば会話を交わす程度の仲だったと思います。見た目は少し可愛くて、背も高く、勉強はまあまあできる、運動能力は抜群、そして、キャプテンシーがあり学級委員もしていまして、人気と信頼を受けている女子でした。このような表現をすると、私がその人を好きだったのかと考える人がいるかもしれませんんが、この学校は、魅力的な女子がたくさんいたので、今回の女子のことは特別に考えたことはありませんでした。

中学になり、私はバスケット部に入ったのですが、その子は女子バスケ部に入部。クラスは一緒ではありませんでしたが、毎日の練習のときに隣のコートで練習しているので、身近な感じで見ていました。同学年の女子の中で一番上手く、さすがだなと思いました。

そして、1年の後半か2年の前半のころ、あるときハッと気づきました。その子が同学年の女子バスケ全員から避けられている。無視されているのです。言い争いや小競り合いなどは見ていないのですが、空気感で分かりました。気のせいではなく、誰が見ても明らかに分かる状態です。先ほど説明したように、私たちは小さいころから皆が顔見知りで仲良くしてきたものですから、そして、無視している側の皆のこともよく知っていたので、とても悲しくて、残念でなりませんでした。ただ、無視している空気からはただならぬ気配を感じまして、とてもとても怖かったです。小さいころから知っているあいつらが、なんでそんなに怖い人間になってしまったのかと。。

私は、何もできませんでした。正確に言うと、何もしませんでした。とても怖かったのです。また、勇気もありませんでした。本当は、その女子を助けてあげたいと思いましたが、見て見ぬふりをしてしまいました。

その後、何か月か経過して、その子は一切部活に顔を出さなくなったので、辞めたのだと思います。

高校のときに一度偶然会った

その子とは、違う高校に行ったのですが、高校2年の時に、市の図書館で声をかけられました。振り返ると、そのイジメられていた子だったのです。久しぶりと挨拶して、彼女は海外へ短期留学に行ったと話していました。その子が綺麗になっていて照れてしまったことと、私のそばに友人がいたこともあり、数分で別れました。別れた後になって気づいて後悔したのは、中学のとき、状況を知っていながら見て見ぬふりをしてしまったと謝らなかったことです。

大人になってもたびたび思い出した

その後、その子とは会うことは無かったのですが、社会人になっても、年に2~3回くらい、その子のことを思い出しました。助けてあげられなかった後悔。高校の時に謝らなかった後悔。40歳を過ぎてもたびたび思い出すことがありました。

奇跡と言っていい再会

私は今、生まれ育った場所からは離れたところで自営の商売をしていて、お店に立っているのですが、3年前、ある女性が店に来て、よく見ると例の女子と思われる人でした。特注の商品を購入する流れになったため、名前を書いてもらい、苗字は変わっていますが、名前、確かこの名前だとほぼ確信して、声をかけました。失礼なことに、30秒くらい私のことが分からない様子で。。老けました。否定しません。。学校名などを説明してようやく私であることを分かって貰えました。学生時代とは全然離れた場所での再会に、お互い驚きました。その時は、今どうしてるかなどの話をして帰っていったのですが、特注品の受け取りに再度来店するので、そのときに、昔のことを謝ろうと決めました。

辛さをバネにした人生

後日、彼女が再来店して、中学のとき見て見ぬふりをしたことを謝りました。彼女は知られているとは思わなかったとのこと。そして、私の謝罪の言葉については、大きな反応は無く、受け入れるに留めていました。再来店する前に、この一連の経緯を近年仲良くしている人に話したら、「きっとその女子は昔のことを覚えていて痛んでくれたなんて、きっと嬉しく思うのではないか」と言っていたのですが、違いました。彼女の反応は「そっかー分かってはいたのかー」という言葉でした。「何で助けてくれなかったの?」とは言いませんでしたが、その思いだったのでしょう。私は何も弁明できません。

その後、彼女はイジメられたことをバネにして「ぜったい幸せになってやる」と、頑張ったとのこと。たくさん勉強して、大手航空会社のCAになり、結婚して子供を2人育て、目黒区に一軒家を購入しています。彼女の「辛さから這い上がった頑張り」に、ただただ敬服するばかりです。

その後、そのひとは、年に2~3回、私の店を訪れます。たくさん話をしたいのですが、いつも3~4分程度世間話をして帰ってしまうことが残念ではあります。

いじめていなくても、見て見ぬふりをしていたら同罪。年月が経過して謝っても、それはただの自己満足。このことを通して、私の弱さと、自分を守ってしまうズルさをハッキリと認識することになりました。とても心が痛いです。

この記事で何か皆さんに役立つことは無いかもしれない内容で申し訳ございません。最後までお読みいただきましたことを感謝いたします。ありがとうございます。

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